繊維工場と洗い加工場における製造工程の改善

環境活動の改善と地域社会への還元

 

当社の商品を製造する工程の中で環境に最も重大な影響をもたらしているのが、染色や仕上げの工程で水や化学物質、エネルギーを大量に消費している繊維工場です。環境保護の取り組みが、いかに人々の健康と幸福に直接関わっているかは工場を見れば分かります。生態系や周辺地域を保護するため、排水は必ず処理を施してから周囲の環境に流す必要があります。

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地域社会や人々を守るため、Gap Inc.は繊維工場に対して明確な環境水準を定める「繊維工場サステナビリティプログラム」を導入しました。

従来の繊維工場は染色や仕上げの工程で水や化学物質を大量に消費します。また生態系や周辺のコミュニティ保護のため、排水処理は必ず行わなければなりません。洗い加工場でも特にデニムの洗浄に大量の水が必要とされ、水質汚染のリスクが引き起こされます。Gap Inc. は製造工程の改善に向け繊維工場、洗い加工場と連携し、水や化学物質の使用削減に向けてサプライチェーンのすべての段階でパートナーシップ構築を推し進めています。当社は2017年までに製造過程で10億リットルの節水を達成することを目指しています。 

サステナブル・アパレル連合(SAC)が作成したヒグ・インデックスを使用して、水の使用量をはじめとする環境負荷の評価を行うようサプライヤーに対して働きかけ、支援しています。また、当社の水質監視プログラムを強化し、積極的にデニム洗い加工場の排水の水質モニタリングと水質向上に向けた支援を行っています。 

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2015年から2016年には、サプライヤーが当社の環境パフォーマンスを競合他社や同業者と比較できるよう、重要な基準データを提供するため密接に連携を取り始めました。サプライヤーが改善点を特定できるようにダッシュボードを用いて国別、工場別に水やエネルギーの消費量を詳しく情報提供しています。

繊維工場サステナビリティプログラム


2013年に導入した繊維工場サステナビリティプログラムは、繊維工場周辺に暮らす人々にとっても利益的な繊維工場のオペレーションを改善することを目指しています。プログラムでは明確な環境基準を策定し、当社の調達に関する意思決定に取り入れています。また水、化学物質、エネルギーをより効率的に使用できるよう最善策を見つけ、共有するために同業者と協業しで業界規模の改善を実現することを目指しています。

まずは中国、インド、パキスタン、台湾の戦略的パートナー工場とともにエネルギーや水の消費、排水の処理と排出、廃棄物や有害物質の取り扱い等を対象とした環境評価を実施しました。2015年から2016年にかけては参加工場を増やすためプログラムを拡大し、より高い期待値を課すため当社の繊維工場に関する指針を改訂しました。当社が使用する繊維の70%以上を製造する戦略的パートナー工場112ヶ所に対しては、ヒグ・インデックスを利用した環境負荷評価を行うよう求めました。

今後もサプライチェーンのビジネスパートナーと連携を続け、より多くの二次サプライヤーの取り組みを強化していきます。新しくサプライヤーとなった工場に対しては研修プロセスを確立し、サプライヤーのパフォーマンスに対する当社の期待値を明確に伝えていきます。さらに、2017年3月には全工場に向けて「社会・環境問題に関する最低限の期待値」を通知しました。このプログラムとパフォーマンス指標を当社の事業全体に取り入れ、パートナーであるベンダーや工場と革新技術や最善策を共有することにより私たちの影響力を広げていきます。

繊維工場、洗い加工場とのパートナーシップ


当社は繊維工場サステナビリティプログラムに加え、様々な業界の協働プロジェクトとも連携し、水資源への影響の軽減に取り組んでいます。

天然資源保護協議会(NRDC)の「Clean by Design」というプログラムでは複数のグローバルアパレル企業がともに、繊維工場の水、エネルギー、化学物質の使用削減を支援しています。当社は2009年よりこのプログラムに参加し、繊維工場が資源保護、コスト削減、パフォーマンス改善に取り組めるよう努めました。報告期間中は中国の蘇州市の繊維工場3ヶ所を集中的に支援し、水、エネルギー、化学物質の使用削減による工場全体の環境パフォーマンス改善に取り組みました。このプロジェクトは2017年に終了しましたが、1年当たり6億2000万リットルの節水が実現しました。 

ベトナムではグローバル展開するアパレルブランドや靴ブランド、政府、地域産業、市民社会が参加するイニシアチブ「Race to the Top」をサポートしています。このイニシアチブは「持続可能性がアパレル業界にもたらす利益を証明する」「製造業者や繊維工場による持続可能性への投資を促すためにビジネスケースを実証する」「支援的な規制環境を整える」「ベトナム全土で持続可能性を支える技術革新を起こすため、費用対効果を高め、改善策を提供する」という四つの柱に注力し、同国のアパレル製造業界全体に持続可能な事業の拡大を目指しています。

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バングラデシュでは染色仕上工程の環境パフォーマンスの改善に取り組む「Partnership for Clearner Textile(PaCT)」に参加しています。バングラデシュの染色仕上施設では同種施設の世界平均の3倍もの水が使用されており、水の浪費にとどまらずエネルギーの消費量やコストの上昇にもつながっています。 当社がPaCTを通じて連携しているデニム洗い加工場3ヵ所では、合計8500万リットルもの節水が見込まれています。他社ブランドが登録した工場4ヵ所と合わせると、最大で1億1400万リットルの節水が達成できる見込みです。  

2015年にはインド北部の水不足地域にある繊維工場3ヵ所と協力し、資源の効率的な利用に焦点を当てたトレーニングプログラムを開発しました。この取り組みを基盤に、インドの10箇所の繊維工場と結んでいる「インド水パートナーシップ」を通じて水やエネルギーの利用効率や化学物質管理方法に関する技術的専門知識を提供しています。

The Short Story

繊維工場と洗い加工場

  • Gap Inc. の繊維工場サステナビリティプログラムは2013年の立ち上げ以来、当社の事業の枠を超え、環境への取り組みを拡大し続けています。
  • このプログラムにより水や電力の消費量だけでなく、排水量も減少することができました。
  • 水資源への影響の軽減と汚染防止に取り組むため、繊維工場サステナビリティプログラムおよび水質管理プログラムを強化しました。
  • 天然資源保護協議会(NRDC)の「Clean by Design」、「Race to the Top」、「Partnership for Cleaner Textile Program 」といった業界内の各種イニシアチブにも参加しています。