P.A.C.E. – 女性100万人の人生を変える

P.A.C.E. を学ぶ女性一人ひとりに物語があります

 

自分の意見を明確に伝える。問題をチャンスととらえ直す。予算を管理し、健全な方向に向かう。自分を信じること。

Gap Inc. の P.A.C.E. (Personal Advancement & Career Enhancement: 個人の能力とキャリアの向上) プログラムは、Gap Inc. の商品製造に携わる女性に職場や家庭での生活を切り拓くために欠かせないスキルを教える目的で立ち上げられました。現在、地域社会の女性にも提供されている授業や討論の場は彼女たち自身や彼女たちの能力に対する認識に変化をもたらし、新たな可能性を開放します。その結果、多くの女性がP.A.C.E. プログラムに参加することで自信を深め、より大きな目標を設定しその達成に向けて努力することができるようになったと語っています。このような成果に後押しされ、私たちはこのプログラムを世界各地の11~17歳の少女たちにも届けるため、プログラムの拡充に取り組んでいます。

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2007年の立ち上げ以来、16か国で6万5千人を超える女性がP.A.C.E.プログラムを受講しました。

 

Gap Inc. が2007年にP.A.C.E. プログラムを立ち上げてからこれまでに16か国で6万5千人を超える女性がこのプログラムを受講しました。そしてさらに2015年9月、Gap Inc. は2020年までに100万人の女性や少女にこのプログラムを届けるというコミットメントを発表しました。

P.A.C.E. に参加した女性一人ひとりに変化の物語があります。ある女性はプログラムの受講中、勇気を振り絞ってスピーチをし、今まで感じたことのない自信を感じることができました。また、自分が乳がんを患った経験を他の女性に話すことで、周囲に変化をもたらし、自己検診の実施や健康に留意するといった意識改革を促すことができたと気付いた女性もいます。さらに、家計をうまくやりくりする方法を学び、夫と二人の娘とともに夢のマイホーム建設という目標を叶えた女性もいました。

このような一つひとつの物語がさらに大きな物語にも結びついています。それは、すべての女性が最大限の可能性を発揮できるための後押しをする、私たちの間のつながりの物語です。Gap Inc. の商品製造に携わる女性や機会に恵まれない女性がスキルを身に付け自信を育てる手助けをすることで、彼女たちは自分の目標に向かって努力を重ね、自分の家族や暮らす地域に変化をもたらすインフルエンサーへと成長します。また、彼女たちが習得した能力を縫製工場での作業に生かすことで、私たちはお客様により良い商品を届けることができます。さらに広い視野でみると、彼女たちが地域社会に活気をもたらすことで、その地域社会で展開する私たちの事業も成長することができるのです。また、P.A.C.E. プログラムはGap Inc. の商品製造に携わる人々とその商品を購入する人々とをつなぎます。お客様に商品を購入していただくことで、私たちはより多くの女性が成長できる機会を創出する力が得られます。

P.A.C.E. は女性の社会進出のみならず、私たちの事業も推進させ、長期的に持続可能な事業をもたらす、と当社のCEOであるアート・ペックが語った理由は、これらのつながりにあります。P.A.C.E. はより多くのスキルを持った人材を育成するだけでなく、私たちのサプライヤーの生産性や能力を伸ばし、Gap Inc. の従業員にはより深い意義を感じさせ、目的意識を高めます。2015年9月28日、アート・ペックはニューヨークで開催されたクリントン・グローバル・イニシアチブ年次総会の場でP.A.C.E. プログラムの拡大を発表しました。そしてその2日後、タイムズスクエアに集結した約500人の従業員がP.A.C.E. に参加する女性を称えるインスタレーションを展開しました。

 

最長80時間の座学研修を提供します。    

 

どうしたら私たちの事業を通じてGap Inc. の商品製造に携わる女性たちに新しいチャンスを提供できるだろうか?この疑問が、当社の歴史の中でも最も有意義な取り組みに向けて歩み出すきっかけを生み、P.A.C.E. プログラムの原点となりました。私たちは彼女たちがどんな人たちなのか、どんな生活を送っているのか、また、彼女たちが自分や自分の家族や地域社会に変化をもたらせるようになるにはどんなサポートが必要なのかを調査しました。世界中の縫製工場で働く人々の80%がインド、ベトナム、バングラディシュ、カンボジア、中国など、さまざまな国に暮らす女性であるにもかかわらず、今よりも上のポジションに昇進できる女性はそのうちのほんのわずか。彼女たちの多くが昇進できるだけの能力を持っていながら、教育を受ける機会や職場や私生活で成長するためのスキルを習得する機会に恵まれていないのが現状なのです。

従業員の74%を女性が占め、3人のブランドリーダーの内5人が女性であるなど、管理職の70%以上を女性が占めるGap Inc. にとって、女性の機会を創出することはごく自然なことです。アート・ペックがP.A.C.E. プログラムの拡大の発表に際し述べたとおり「私たちは世界の一勢力を担う女性への投資に全力で取り組んでいます」。

P.A.C.E. プログラムでは、自分の意見の明確な伝え方、家計管理、問題をチャンスととらえ直す方法など、職場や家庭での生活を切り拓くために欠かせないスキルを教えています。私たちは対象となる女性のニーズに精通している二つのパートナー団体と協力してこのプログラムを考案しました。社会参加が阻まれている人や貧しい人に公衆衛生が与える影響に注目する「国際組織スワスティ保健資料センター」と、女性のエンパワメントに尽力する国際研究所、「国際女性研究センター(ICRW)」です。また、プログラムの主要な実施パートナーとして「国際協力NGO:CARE(ケア)」とも協力しています。

これらのパートナーとともに、私たちはコミュニケーションスキル、タイム/ストレスマネジメント、問題解決と意思決定、金融リテラシーなど、8つの分野の教科を盛り込んだ総合的なカリキュラムを開発しました。このカリキュラムはそれぞれのプログラムや地域ごとにカスタマイズされています。Gap Inc. の商品製造に携わる女性に提供されるP.A.C.E. プログラムでは、私たちのサプライヤーが提供する教員陣のサポートを受け、工場内でロールプレイや演習、公開討論などのクラスを開講しています。女性に具体的なスキルを教えるだけでなく、P.A.C.E. は彼女たちの多くが自分自身や自分の能力についてどのように考えているかということにも注目しています。

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効果を実証します。

 

プログラムを効果的に実施するためには、その成果を評価することが不可欠であると私たちは考えています。2013年、ICRWはインド、カンボジア、ベトナム、バングラディシュ、中国でP.A.C.E. プログラムに参加する6工場で2009~2013年の期間に行った評価を基に報告書を発行しました。この報告書によると、プログラムの参加者は自信とコミュニケーション能力を強化すると同時に、目標設定や家計の管理の重要性を学ぶことができたと感じていることが明らかになりました。

全体の結果として、プログラムの終了時までに自尊心が向上したと報告した参加者の割合は49%増加し、自己効力感(自分の行動によって希望する結果を生むことができるという信念)が向上したと報告した参加者の割合は150%増加しました。また、ICRWはインドで最初にプログラムに参加したグループの数人を追跡調査し、P.A.C.E. の長期的な影響のトラッキングも実施しました。その結果、プログラムで習得した内容は時間が経っても忘れられることなく、職場や家庭で学んだことを応用する中でさらに深まり、さらにプログラムを受講した女性が学んだ知識を他の女性や家族に伝えることができたことがわかりました。プログラムを新たな国や環境に拡大するにあたり、ICRWは今後も評価を続けていきます。

P.A.C.E. が事業にもたらす利益を報告することもプログラムの長期的な持続可能性にプラスに働きます。ICRWはプログラムの参加者について、率先して行動し実力を発揮する能力など作業効率が向上し、人間関係の強化、コミュニケーションの効率化やその他のスキルを通じて職場での影響力が高まったと報告しています。運営への投資という形でプログラムに協力している当社のサプライヤーはこれらの評価結果を受け、さらに投資を行いました。サプライヤーはP.A.C.E. が自分たちの事業に与える影響について独自の調査を実施し、常習的な欠勤が減少し、効率と生産性が向上したという結果を報告しました。カンボジアを例に挙げると、P.A.C.E. を受講した従業員の定着率はそうでない従業員の定着率を66%上回りました。また、インドの工場ではP.A.C.E. 受講者の生産性が15%上回りました。

これらの評価結果をさらに裏付けることになったのが、Gap Inc. のサプライヤーであるShahi Exportsがインドのバンガロールで操業する5か所の縫製工場で行ったランダム化比較試験に基づいた学術的研究でした。この試験に参加した3,000人のうち、1,000人をP.A.C.E. を受講するグループ、残りの2,000人は受講をしないグループとして比較したのです。研究の結果、P.A.C.E. 参加者の効率性が大幅に向上した上、Shahiは経費節約ができ、従業員個人にも恩恵がもたらされことが明らかになりました。また、プログラムによって勤怠の改善と生産性の向上が見られ、このプログラムへの投資によりプラスのリターンが得られることがわかりました。

 

P.A.C.E. プログラムを100万人の女性たちへ。


P.A.C.E. が複数の利害関係者に利益をもたらしたことに励まされ、私たちはプログラム内容や実施先を拡大することでさらなる革新を推し進めることにしました。工場以外の場でさらに多くの女性を支援するため、2013年、私たちはSwastiやCAREとの協働を通じて地域社会でのP.A.C.E. プログラムの提供を開始しました。2020年までに世界各地で100万人の女性にプログラムを届けるという目標に向け努力を重ねる中で、私たちは現在この取り組みをさらに拡大しています。

P.A.C.E. の中核にあるのは、職場、家庭、地域社会のどこにあっても、さらには故郷から遠く離れた場所にいたとしても、プログラムに参加するすべての女性は多くの人々とつながっている、という信念です。このつながりの力は、プログラムの対象拡大に対する私たちの考え方の指針にもなっています。新たなコラボレーションの実施がP.A.C.E. をより多くの女性に届けるための鍵を握っているという信念のもと、私たちは他の企業、業界リーダー、非政府組織、開発機関、資金提供者などと連携していくことを約束します。また、新しいパートナーを支援するため、彼らにトレーニングを提供し、P.A.C.E. のカリキュラムを公開していきます。

また、私たちはP.A.C.E. をより幅広い参加者がいる層に届ける準備を進めています。工場や地域社会向けのプログラムを基に、11~17歳の少女を対象にした新しいカリキュラム、また工場向けプログラムを基にした新しい女性リーダーシップ向けカリキュラムなどを盛り込んだ総合的な学習プログラムを開発中です。どちらのカリキュラムも、どこに住む女性や少女のニーズにも合うよう設計されています。年齢の低い受講者に向けては、P.A.C.E. プログラムが人生の進路に影響力を持てる時期、すなわち個人の能力開発における重要な時期に合わせてライフスキル教育を提供していきます。リーダーシッププログラムに参加する女性には、ビジョンや目的の管理、他者に影響を与えること、結果を出すための意欲、変化をリードすることなどの分野に重点を置き、能力開発を促進する機会を提供していきます。

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Gap Inc. 創業者のドリス&ドン・フィッシャーは創業当時からGap Inc. の事業に何らかの形で関わる人々のためにチャンスを創出したいというビジョンを持っていました。私たちはP.A.C.E. プログラムを通して、教育を受ける機会を得た女性が自分自身の人生のみならず他の多くの人々の人生にも変化をもたらし、無限の可能性の輪を広げている様子を目の当たりにしました。私たちは社会革新を実現し、その規模を大きくしていくためには何が必要かという貴重な教訓をP.A.C.E. から学びました。何よりも、他者と手をつなぎ、世界中の人々の人生を前進させられる援助ができる。その「事業が持つ可能性」をP.A.C.E.私たちに教えてくれたのです。

The Short Story

  • このプログラムは当初、Gap Inc. の商品製造に携わる女性を対象にしていましたが、現在はその対象を地域社会の女性にまで拡大しています。
  • 2016年までに12か国で6万5千人を超える女性がこのプログラムを受講しました。
  • 参加者を評価した結果、自尊心や生産性の向上が報告されています。
  • 女性と水質に特化したUSAIDとのパートナーシップにより、P.A.C.Eを拡大しています。