CEOからの手紙 

正しいビジネスが世界を変える 

 

1969年にGapの第1号店をサンフランシスコにオープンした当時、創業者のフィッシャー夫妻には小売業界に革命をもたらそうという考えはありませんでした。自分に合うジーンズが見つからなかった、それが開業の理由だったのです。たった一店舗から始まったGap Inc.は、世界中でビジネスを展開する今日においてもなお、平等性、コミュニティ活動、カジュアルなアメリカンスタイルの代名詞であり続けています。

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人を中心に置く正しいビジネスは、始めはどんなに小さくとも、ゆくゆくは世界を変える可能性を秘めているものです。

 

Gap Inc. では今もジーンズを販売し、正しいビジネスを信念としています。1969年以来、世界は大きく変わりました。その世界の一端を私たちも担っています。お客様はますます多くのことを商品に期待し、その背景にあるストーリーにも関心をもっています。商品がどこから来たのか?誰が作ったのか?公正かつ安全で、環境に配慮した方法で製造されたのか?人や地球にどんな影響を及ぼしたのか?

私たちは、お客様と同じことを自社のビジネスに問いかける義務を負っています。それに答えることでコアバリューに立ち返らせてくれた問いもあれば、新たなソリューションを見出し、これまでにないパートナーシップを構築するよう駆り立ててくれた問いもあります。Gap Inc. は世界有数のアパレルリテーラーです。ビジネスをグローバルに展開する私たちは、自社にとどまらず業界全体の持続可能性を高めるチャンスを手にしていると同時に、その責任を負っています。アパレル業界の構造的な課題の解決は壮大な取り組みです。だからこそ私たちはサプライヤー、各国政府、NGO、国際機関、業界のリーダーたちと力を合わせ、うまく機能する解決策を探っています。成功の鍵を握るのは「人」、つまり、商品のデザインをする人、製造する人、販売する人、そして購入する人なのです。

この取り組みの進捗を実感するには、Gapの店舗に行きGap for Goodのデニムを買ってみていただくとといいでしょう。このデニムを作るために使われた水の量は従来の製造方法の8割。年間の節水量は6500万リットルと、サンフランシスコ全体の1日の水消費量に相当します。2021年までには、Gapの商品に使われるコットンの100%を持続可能な供給源から調達します。

Athletaでは、女性の手で女性アスリートのためにデザインされた洋服や、オーガニックコットンと再生ポリエステルから作られたアクティブウェアが揃っています。2020年までに、Athletaは使用素材の80%を環境負荷の少ない繊維から製造します。

Old Navy、Gap、Banana Republicのフラッグシップストアに足を運んでいただくと、高い確率で「This Way Ahead*」の卒業生に会うことができるでしょう。これは十分な環境下にない16歳から24歳までの青少年に職業訓練と有給インターンシップを提供するプログラムです。2025年までに、エントリーレベルのセールスアソシエイトに占めるこのプログラムの卒業生の割合を5%にします。これにより、Gap Inc. の将来をともに担う若者が何千人も輩出されることになります。  
*This Way Aheadはアメリカ、カナダ、イギリスで展開しているプログラムです。

私たちのパートナー工場を訪れると、Gap Inc. が提供するライフスキル教育プログラム「P.A.C.E.」 の68,000人の修了生の一人に出会えるでしょう。2020年までに、世界中の工場や地域社会で100万人の女性がこのプログラムを修了します。100万人の女性が自信と新たなスキルを身につけ、より輝かしい将来を手に入れるのです。

工場に足を運ぶことが難しい場合でも、www.gapincsustainability.comから全サプライヤーリストを見ることができます。また、ILO(国際労働機関)のベターワーク、ヴェリテ(Verité)、サステナブル・アパレル連合といった団体とのパートナーシップについても紹介しています。こういった団体とともにGap Inc. のサプライチェーンの改善や、縫製工場の労働者の声を広めるために取り組んでいます。工場の労働者やマネージャーと協力的な関係を築くことは、ビジネスにとってプラスに働きます。 

進捗は順調であり、この取り組みを非常に誇らしく思っています。しかしまだ、なすべき仕事は山積しています。気候変動をもたらす人的、環境的脅威はかつてないほどに鮮明に現れており、地域社会、企業、消費者には低炭素経済の実現に向けた大胆なアクションが求められています。

2020年までに、世界中の自社運営施設における温室効果ガス排出量を50%削減し、米国内の自社施設から出る埋め立て処分予定の廃棄物の転換率を80%に引き上げます。これを実現するため、エネルギー消費量のモニタリングを行いながら、効率向上のため新たなアプローチを取ったり、工程の中で出る廃棄物を削減してコストを下げる方法を探ったりしています。

小売業界のあり方も地球の気候も大きく変わっていく今の世の中でも、1969年以来変わらないことが一つあります。それは、「正しいビジネスは正しい信念を持つ人々によって実現される」ということです。課題が山積みであろうとも、行動を起こそうという私たちの固い意志は揺るぎません。しかし最終的には、持続可能で人道的な、配慮の行き届いた商品を求め、購入することで世界を変える力を発揮するのはお客様です。私たちが創造性、ビジョン、明確な目的意識を持って未来と向き合うことができるのはお客様のおかげなのです。 

 

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Art Peck

CEO, Gap Inc.